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オーケストリオン オーケストリオン:ダンジョン オーケストリオン:討伐・討滅戦 オーケストリオン:レイド オーケストリオン:その他 オーケストリオン:シーズナル フィールド 001~010 オーケストリオン名 入手方法 取引条件 001 水車の調べ グリダニア新市街(11,11) 黒兎堂マイセンタ 5000ギル 002 偉大なる母港 リムサ下甲板層(10,11) ブルゲール商会バンゴ・ザンゴ 5000ギル 003 希望の都 ウルダハナル回廊(10,9) アシュガナ貿易ロリッヒ 5000ギル 004 堅牢 ~イシュガルド下層:昼~ イシュガルド上層(6,10) よろず屋フリヌ 5000ギル 005 砂の家 砂の家 雑貨商人ハネコ・ブンネコ 5000ギル 006 彩られし山麓 ~高地ドラヴァニア:昼~ リスキーモブAorSランク 高地ドラヴァニア 007 雲に隠れて ~アバラシア雲海:昼~ リスキーモブAorSランク アバラシア雲海 008 もう一杯! モードゥナ オーリアナ 詩学 1000 009 アンダヴィル・ゴールドソーサー ゴールドソーサー景品 10000MGP 010 チョコボレース ゴールドソーサー景品 15000MGP フィールド 011~020 オーケストリオン名 入手方法 取引条件 011 船乗りは眠らない リムサ下甲板層(10,11) ブルゲール商会バンゴ・ザンゴ 5000ギル 012 蛍たちの舞踏会 グリダニア新市街(11,11) 黒兎堂マイセンタ 5000ギル 013 夢見る女王陛下 ウルダハナル回廊(10,9) アシュガナ貿易ロリッヒ 5000ギル 014 ノブレス・オブリージュ~イシュガルド上層:昼~ イシュガルド上層(6,10) よろず屋フリヌ 5000ギル 015 マトーヤの洞窟 ~蒼天~ マトーヤの洞窟 5000ギル 016 旅の宿 テイルフェザー(32, 23) よろず屋 5000ギル 017 風に向かって ~クルザス西部高地:昼~ リスキーモブAorSランク クルザス西部高地 018 ランドロード ~ドラヴァニア雲海:昼~ リスキーモブAorSランク ドラヴァニア雲海 019 欠けた頁 ~低地ドラヴァニア:昼~ リスキーモブAorSランク 低地ドラヴァニア 020 西風に乗せて リムサ下甲板層(10,11) ブルゲール商会バンゴ・ザンゴ 5000ギル フィールド 021~030 オーケストリオン名 入手方法 取引条件 021 静穏の森 グリダニア新市街(11,11) 黒兎堂マイセンタ 5000ギル 022 灼熱の地へ ウルダハナル回廊(10,9) アシュガナ貿易ロリッヒ 5000ギル 023 ラノシアの疾風 宝物庫アクアポリス 024 冥き地の底に 宝物庫アクアポリス 025 ザナラーンの黄昏 宝物庫アクアポリス 026 クルザスの静寂 宝物庫アクアポリス 027 ノブレス・スリープス~イシュガルド上層:夜~ イシュガルド上層(6,10) よろず屋フリヌ 5000ギル 028 雲霧街の夜霧 ~イシュガルド下層:夜~ イシュガルド上層(6,10) よろず屋フリヌ 5000ギル 029 天上の世界 ~アバラシア雲海:夜~ リスキーモブAorSランク アバラアシア雲海 030 燻る灰 南ザナラーン (23.2, 14.1) アマルジャ族よろず屋 アマルジャ族鋼鉄刀貨 3 フィールド 031~040 オーケストリオン名 入手方法 取引条件 031 大らかな家 アバラシア雲海 (7.0, 14.2) 商人のルナバヌ バヌバヌ族白骨貨 3 032 安らぎの部屋 黒兎堂マイセンタブルゲール商会バンゴ・ザンゴアシュガナ貿易ロリッヒ 5000ギル 033 リフレクション モードゥナ オーリアナ 詩学 1000 034 心の故郷 三国ハウジングエリアorアパルトメントロビー よろず屋 5000ギル 035 ホームステッド イディルシャイア (6.0, 7.2) よろず屋 5000ギル 036 イタズラっ子たち 東部森林 (22.3, 26.3) シルフ族よろず屋 シルフ族金葉貨 3 037 分かたれし者たち 高地ドラヴァニア (23.6, 19.0) アキンド グナース族偽黒銅貨 3 038 フロンティア モードゥナ オーリアナ 詩学 1000 039 儚き光彩 東ザナラーン ハイブリッジ 武器屋チャチャムン 5000ギル 040 潮風香る街 西ラノシア (26.2, 26.1) よろず屋 5000ギル フィールド 041~050 オーケストリオン名 入手方法 取引条件 041 刃、厚いほどに イシュガルド下層 (13.0, 11.8) アルドラン セントリオ記章 300 042 スカイロード ~ドラヴァニア雲海:夜~ リスキーモブAorSランク ドラヴァニア雲海 043 静寂の星空 ~低地ドラヴァニア:夜~ リスキーモブAorSランク 低地ドラヴァニア 044 壁の向こう側 ~ギラバニア辺境地帯:昼~ キルニス FATE報酬 ギラバニア辺境地帯 045 焔の海 ~紅玉海:昼~ ダイミョウユメミ FATE報酬 紅玉海 046 地平線に沈め ~アジムステップ:昼~ イシュガルド下層 (13.0, 11.8) アルドラン セントリオ記章 300 047 忍びの刃 東ラノシア・ワインポート (20.7 20.6) よろず屋 5000ギル 048 潮風集う街 宝物庫ウズネアカナル 049 木々のさざめく街 宝物庫ウズネアカナル 050 運命の交わる街 宝物庫ウズネアカナル フィールド 051~060 オーケストリオン名 入手方法 取引条件 051 我らが支配圏 メインクエ「復讐と正義」報酬 052 壊神の拳が届く場所 メインクエ「波乱の徴候」報酬 053 衝撃 ~ラールガーズリーチ:昼~ ラールガーズリーチ(13.9, 11.6) エンナ 真理 1600 054 紅の夜明け ~クガネ:昼~ 宝物庫ウズネアカナル深層 宝箱 055 高みより ~ギラバニア山岳地帯:昼~ ラールガーズリーチ(9.9, 12.5) スクリップ取引窓口 クラフタ赤貨 400 056 塩と苦難の歌 ~ギラバニア湖畔地帯:昼~ ラールガーズリーチ(9.9, 12.5) スクリップ取引窓口 クラフタ赤貨 400 057 父の誇り ~ヤンサ:昼~ 宝物庫ウズネアカナル深層 宝箱 058 硬き者たち 紅玉海(29.3, 16.8) シキタヘ コウジン族珊瑚貨 3 059 紅の夜明け ~クガネ:夜~ 宝物庫ウズネアカナル深層 宝箱 060 宵の海 ~紅玉海:夜~ ラールガーズリーチ(13.9, 11.6) エンナ 万物 1600 フィールド 061~070 オーケストリオン名 入手方法 取引条件 071 調和 取引NPCはコチラ クラフタ黄貨 400
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ぐるーみーおーけすとら【登録タグ Miwo VOCALOID く 初音ミク 曲】 作詞:Miwo 作曲:Miwo 編曲:Miwo 唄:初音ミク 曲紹介 "Gloomy Orchestra" 歌詞 (動画説明欄より転載) 朝に眠りについたような ストラトに沿った僕の生活 溺れてる意味が2つ以上あってさ 知らない歌詞は感情について 愛に任せていたな もう尽きたんでしょ 二つの意味で 酩酊さんと歩いていた ここじゃない世界も 笑えるくらいになっちゃって ひとりに飽きたよ 僕は感情について 考えてないなかった もう尽きたんだよ 今までのこと 叫ぶんだ今 僕が 僕が グルーミーだったとして 繰り返す事象は機械的だ 救いたくないのは音楽だ 僕は 僕は今 澄んでいるみたい 繰り返す事象は機械的だ 救いたくないのは音楽だ まさにどうにもならぬような ストラトに沿った僕の生活 溺れてる意味が2つ以上あってさ 吐き出す歌詞は感情について どうも最低なもんで まだやってんだね 金無いくせに 酩酊さんと歩いていた ここじゃない世界も 笑えるくらいになっちゃって ひとりに飽きたよ 僕は感情について 考えてないなかった もう尽きたんだよ 今までのこと 叫ぶんだ今 僕が 僕が グルーミーだったとして 繰り返す事象は機械的だ 救いたくないのは音楽だ 僕は 僕は今 澄んでいるみたい 繰り返す事象は機械的だ 救いたくないのは音楽だ 僕が 僕が グルーミーだったとして 僕は 僕は今 澄んでいるみたい コメント 名前 コメント
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フェアリーガチャ情報 (レア度の高い★4アイテムより、合成用の★3アイテムの方が出にくくなっている模様です) レア度 確率 ★5 5.5% ★4 21.1% ★3 17.5% ★2 55.9% ★5 レッドローズの髪飾り オペラクイーンドレス スターライトプロポーション ★4 ファンシーコントラバス ゴールド フファンシーコントラバス ホワイト コントラバスガール ジャズ コントラバスガール クラシック ドラム少女 ロック ドラム少女 ポップ ジョイフルミュージック ブラック ジョイフルミュージック ブルー ★3 ノートシンボルリボン 黒 ノートシンボルリボン 青 メロディワンピ ルージュ メロディワンピ ブルークレール フレンチホルン 金 フレンチホルン 銀 ★2 鍵盤ニット帽 白 鍵盤ニット帽 桃 鍵盤ニット帽 柑 鍵盤ニット帽 赤 鍵盤ニット帽 青 ★2 コーラスガール 白 コーラスガール 桃 コーラスガール 黄 コーラスガール 赤 コーラスガール 青 ★2 コーラスボーイ 白 コーラスボーイ 桃 コーラスボーイ 黄 コーラスボーイ 赤 コーラスボーイ 青 ★2 譜面台 ナチュラル 譜面台 ベージュ 譜面台 ホワイト 譜面台 ブラック 譜面台 グレー ▲ページトップへ戻る 情報やコメントをお寄せください 情報に関しては更新済みの物には取り消し線を引かせていただきます。 もうすぐ終了ですね…スターライトプロポーションを使っている方がいて、とっても綺麗なのと汎用性が高そうなので素敵でした。金枠なので狙っても出ないの辺りがツライw -- (名無しさん) 2013-05-26 22 39 27 名前 コメント すべてのコメントを見る
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■クリティカル・アイテム検証表 ・クリティカル・アイテムとは? クリティカル・アイテムとはNPCが「必ず受け取ってくれ」、 かつ「友好パラメーターの伸びがすこぶるたかいもの」を指します。 そう、信頼値の上昇が魅力的な正にクリティカルなアイテムなのです。 ただし、相手のアイテム欄がいっぱいの時、 既に同じアイテムを持っている時は受け取ってくれないので、 譲ってもらったりしてから再度渡すと良いでしょう。 【判明しているクリティカル・アイテム】 ●青の章 石塚弘 将棋の駒(初期アイテム) 永野英太郎 うちわ 扇風機 大塚浩二 グローブ(初期アイテム) 田島順一 ハヤシヨーグルト 辻野友美 ランニングシューズ 古関里美 ふりふりエプロン リボン 中山千恵 生肉 田上由加里 安産のお守り 飛子室アズサ 麦わら帽子 蔵野みずほ 家族の写真 佐久間誠司 体操服 嶋丈晴 リコーダー 武田裕和 まわし 鈴木俊郎 裏やきそばパン 松尾健太郎 鉄アレイ 小野真義 カエルの目玉 山本えりす おしゃれな水着 篠山瀬利恵 金ぴかマイク 大迫太平 ちょっとHなビデオ 都綾子 思い出の写真 シマシマ 豚足 原素子 チャイナドレス(初期アイテム) 森精華 工具箱 茜大介 ウサ耳キャップ 若宮康光 ビキニパンツ(初期アイテム) ●白の章 石田咲良 家族の写真 想い出の写真 横山亜美 カーボン竹刀 柔道着 小島航 ちょっとHなビデオ 村田彩華 月刊少女はらとむね 竹内優斗 紙飛行機 目薬 谷口竜馬 救急箱 鈴木真央 紫水晶 禍々しい宝石 佐藤尚也 プロテイン 渡部愛梨沙 柔道着 野口直也 ○○の靴下 山口葉月 カロリー計算セル 岩崎仲俊 可愛いレターセット(初期アイテム) 工藤百華 週刊ラリアット 菅原乃恵留 ランニングシューズ(初期アイテム) 吉田遥 ガンパレ攻略本 上田虎雄 テニスラケット 瀬戸口隆之 イカスネクタイ 小島空 自爆装置 ペンギン サングラス 東原希望 バーチャルペット 壬生屋未央 カーボン竹刀 青の厚志 特製クッキー ふりふりエプロン ●緑の章 源健司 鉄アレイ 金城美姫 おしゃれな水着 竜造寺紫苑 サックス 柱空歌 ブレイン・ハレルヤ 深澤正俊 工具箱 國分政昭 戦術教本 先内剣 サングラス 荒木雪子 ヤセールドリンク 斉藤奈津子 ウサ耳キャップ 芝村英吏 サプリメントドロップ 紅・エステル・ヴァラ テレポートパス 牧原倖 禍々しい宝石 牧原輝春 カードゲーム 結城火焔 週刊セクシー 神海那美 白衣 伯爵 自爆装置 風間東二 眼鏡 スキピオ 猫餌マグロ味 芝村舞 ふりふりエプロン 滝川陽平 豪華な弁当 石津萌 麦わら帽子 善行忠孝 ???(不明) ・クリティカル・アイテムの判断基準 クリティカル・アイテムかどうかは、相手が頬を赤らめて受け取ったら正解です。 また、単純にパラメーターの伸びがいいというだけで判断しない方がいいでしょう。 PCの魅力が高いと伸び率もいいからです。 既にNPCと良い仲で常時、顔を赤くしている状態ではっきりとしない場合などは△を入れておいてください。誰かが検証して修正するでしょう。 追記ですが、通常のプレゼントだと信頼が少しだけ下がります。 クリティカルだと信頼も上がるので、それも参考にしてみてはいかがでしょうか。 ※転属キャラクターのクリティカルアイテムは「青の厚志」の「ぬいぐるみ」は抹消、「ふりふりエプロン」が追加、「金城美姫」の「きわどい水着」は「おしゃれな水着」に変更。
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オーケストラフェスティバルVol.3@m 本団演奏曲目 歌劇「カルメン」より 闘牛士→前奏曲(No.5.Les Treadors.→No.1.Prelude):[第1幕への導入→第1幕への前奏曲] ハバネラ(No.7.Habanera:ハバネラ):[第1幕] アラゴネーズ(No.1a.Aragonaise.):[第4幕への前奏曲] ボヘミアの踊り(No.11.Danse Boheme.):[ジプシーの歌(第4幕)] ( )は組曲でのNo.とタイトル,[ ]はオペラでの曲です。
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その日は、端的に言って良い天気だった。 日差しは暖かく、風は心地よい。 広い草原に大の字に寝転がって、流れ行く雲を見ていれば時間の過ぎ去るのを忘れてしまうだろう。 そんな陽気に誘われるかのように、一団の男達がラ・ロシェールから魔法学院に続く街道を歩いていた。 時刻は既に昼をあらかた回り、もう少しすれば空が西から赤く染め上げられていくような時間である。 男たちの多くは剣や弓で武装しており、装束もただの服ではなく強固な革鎧といった者が殆ど。 雇われてラ・ロシェール近くの崖の上でグリフォンに乗った一行を待ち伏せていた筈の傭兵たちであった。 「お頭、学院まで行ったらどうします? 王都まで行きますか?」 「そこまで行っても、コネもねぇしな。まぁ学院近くまで行ってから考えるさ」 昼近くに空を行くグリフォンを確認した後、崖を降りてゆっくりと進んできたのである。 そのまま待っていても仕方がないし、ラ・ロシェールに戻って雇い主といざこざを起こしても面倒だ。 ならば目的の相手が中々来ないから街道沿いに探していたことにしよう。 リーダー格の男のその提案に、部下達はなるほどと諸手を挙げて賛成した。 ぶっちゃけ反対する理由がなかったのである。 待ち伏せを行う際の習慣として非常食の数日分くらいは皆持っているし、懐が暖かいからどこかの村で食べてもいい。 少し戻る形になるがこの辺りにはタルブの村があったか。 あそこの酒は旨い。あそこの名物料理「ヨシェナヴェ」を久しぶりに食べるのもいいかも知れぬ。 そんなことを思いながら足を止めようとした時、斥候として放っていた部下の声が響いた。 「お頭! グリフォンに乗った連中がやってきます――――!」 「……こっちが本命だったか?」 /*/ 室内は沈黙で満たされていた。 港町ラ・ロシェールは魔法学院より馬で二日ほどの場所にある。 馬の代わりにグリフォンやヒポグリフなどの幻獣を使っても一日から一日半はかかる。 だから朝方に魔法学院を出発した筈のワルド子爵が日が落ちる前に姿を現した時、 その男が彼を遍在によって作り出された分身だと思っても仕方のないことだった。 「解せんな」 「やはりそう思うか?」 頷きあうワルドと男。 この速度での移動を可能にした牽引法についてである。 『レビテーション』を使って移動したというワルドの言葉に不思議そうな顔をした男であるが、 説明が進むにしたがってその表情が驚愕に染め上げられていったものである。 「グラモン元帥の次男は確か空軍の艦長の筈だ。 だが彼がそんな移動法を行ったなどというのは聞いたことがない」 「確かミス・タバサはガリアの、ミス・ツェルプストーはゲルマニアの生まれだったな。 そちらの方は?」 「考え付くとしたらゲルマニアだろうが、そんな情報は聞いてないな」 どう考えても異常だった。 およそ常識からは外れた、しかし確実に効果のある移動法。 そしてそれをなんら迷いなくやってのけた子供たち。 「ルイズが言うには、真ん中に結ばれた布は識別用だそうだ。 確かに空中で縄に接触したら危険だからな、それを使うのは理解できる。 だが……」 「空中戦をしたことがない筈の子供たちがそれに気づくとは思えない、か?」 懸念は他にもあった。 アルビオン行きの船が出るのは二日後である。 つまりは早くラ・ロシェールについてもすることがないのだ。 ところが、子供たちはそれを聞いても平然と、 『じゃあ噂話でも集めましょうか』 『ふむ、じゃあぼくは商人たちの溜まり場に行ってみるよ。顔見知りがいるかもしれないし』 『じゃあわたしとタバサは傭兵たちのほうね。男の扱いと賭博なら任せておいて』 ルイズを留守番に残してさっさと自分のすることをしにいってしまったのである。 確かに情報を集めるのは大切だ。それはワルドとて知っている。 だが思い返すに、自分が彼らと同じ年齢の時に同じことが出来たかと言えば首を横に振るしかない。 「そのことだが、僕は魔法学院が怪しいと思う」 「ほう?」 唐突に言い出したワルドに、男は目を細めて先を促した。 「そもそも、だ。 あのオールド・オスマンが、こんな任務に生徒を送り出して平然としていると思うか?」 「いや。……そうか、そうだな。色ボケで健忘症な御仁だが、確かにそれは考えにくいな」 二人は貴族であり、共にトリステイン魔法学院の卒業生であった。 過ぎ去ったあの時代を思い出し、二人の頬に笑みが刻まれる。 懐かしい、あの日々。 現実の辛さも苦しさも知らず、昨日と同じ今日が、今日と同じ明日が来ると信じて疑わなかったあの頃。 父が死に、学院を去らねばならなかったあの日を思い出す。 数ヶ月早いがかまわんじゃろうと卒業証書を渡してくれたオールド・オスマン。 『風』の名を汚すなと、遠まわしに激励してくれたミスタ・ギトー。 軍に入ってもがんばってねと言ってくれたミセス・シュヴルーズ。 そして、早く一人前になって妹を迎えに来いと言ってくれたエレオノール―――― 「オールド・オスマンは怒った時のエレオノール嬢の恐ろしさをよくご存知の筈だ。 なら、確かにこんな危険な任務に反対もしないのは不思議だな」 「言っておくが、恐ろしいのは我が未来の義姉上だけではないぞ」 困ったように笑い、ワルドは声を潜めて爆弾を投下した。 「聞いて驚け。 ヴァリエール公爵夫人はな、先代のマンティコア隊隊長殿だ」 男の顔が一瞬にして蒼褪め、震える声が唇から洩れる。 「れ、“烈風”カリン殿だと……?」 「どうだ、敵に回すには恐ろしすぎるだろう」 ワルドが楽しそうに頬を緩め、すぐに真面目な顔つきに戻った。 「そこまで条件が揃っていて、なぜオールド・オスマンは反対しなかったのか。 確かにトライアングルメイジが二人と、スクエアメイジがいれば戦力としては申し分がないが、 だからと言ってまったく反対しないのは不自然だ」 「た、確かに」 「そこで、だ。 すまんが魔法学院を調べてくれ。 僕たちが在籍していた頃はまぁいいとして、その次の代からだ。 生徒はすぐに卒業するから、新しく入った教師や職員に怪しい奴がいないかどうかとかな」 「承知した。お前はどうする?」 男の疑問に少し考え、意地悪そうに笑って見せる。 「そうだな、グラモン元帥の息子に決闘でも申し込むか。 剣と杖を交えねば解らんものもあるだろう。実戦経験があるかどうかとかな」 「……お前、それは単なる嫉妬だろう?」 とんでもない、とルイズの婚約者は首を振り、 満面の笑顔で言ってのけた。 「敵地にもぐりこむのに、友軍の戦力を確認するのは基本だろう?」 「大人気ないにも程があるぞ、おい」 /*/ 後日、男の報告を受けた上司の手により魔法学院の調査が秘密裏に行われ、 ワルドたちとは入れ違いのような形で学院に奉職した一人の人物の名が捜査線上に浮かび上がった。 ――――元魔法研究所実験小隊隊長、炎蛇のコルベール。 /*/ 最後の一人が束縛の魔法で捕らえられるのを確認し、ミセス・シュヴルーズは深い深い溜息をついた。 汗ばんだ手をローブで拭き、後ろに庇った少女に声をかける。 「もう安心ですよ、ミス・シエスタ」 「はい、ありがとうございます」 答える声にも深い安堵の色がある。 この少女を郷里まで護衛するのを頼まれた時にはいくらなんでも心配しすぎなのではと思ったものだが、 現実に襲撃された後では、自分以外にもグリフォン隊の魔法衛士を二人も護衛につけてくれたオールド・オスマンと、 それを快諾してくれたマザリーニ枢機卿への感謝の念で一杯だった。 「失礼します、ミセス・シュヴルーズ。 どうもこの者たち、仮面を被った貴族に雇われたと申しております。 何かお心当たりがございますか?」 礼儀正しく、貴婦人へ接するかのように衛士の一人が問うた。 彼もまた今回の任務には釈然としないものを感じていた。 帰郷する平民にメイジが護衛につき、しかも魔法衛士が二人も同道するのである。 軍務に疑問を抱くのは許されざることだと解ってはいても、それを妙だと思う気持ちは抑えられなかった。 「それは……」 「ミセス・シュヴルーズ。わたしから説明いたしますわ」 言いよどむ教師を抑え、シエスタが一歩前に出て説明を開始する。 かつて自分が一人の貴族に見初められ、無理やり連れ去られそうになったこと。 それを助けてくれた、彼女が終の主人に選んだ少女のこと。 その貴族が彼女と主人を逆恨みしているか、未だ彼女を狙っている可能性があること。 話を聞くにつれ、魔法衛士隊たちの視線は険しさを増し、怒りの色が顔に浮かんできていた。 彼らはすべからく貴族であり、平民を一段低く見ていたのには違いはなかったが、 それでも彼女を狙うその貴族に対する義憤を抑えることは出来なかった。 「この者たち、捕らえろとは言われていなかったようだ」 「殺すのが目的……権力では敵わぬからと、 ミス・シエスタを殺して溜飲を下げようとでも思ったのか? 貴族の恥さらしめが」 吐き捨てるように言い捨てる。 同じ貴族と言われることすら耐えがたい、そんな表情だった。 「自分はこれから、マザリーニ枢機卿に報告に行く。 今から戻ればまだ学院におられるかも知れない」 「解った。ここからタルブの村はすぐだ。あとは任せろ」 言いおいて踵を返そうとした一騎に、縛られたままだった傭兵の一人が声をかけた。 「待ってくれ、騎士の旦那。 証人が必要だろう。俺も一緒に連れて行ってくれ」 不思議そうな魔法衛士たちに、男は尚も訴える。 「確かに俺たちは傭兵だ。人も殺すし、略奪だってする。今さら奇麗事は言わねぇさ。 だがな、その貴族は許せねぇ。俺たちを雇った奴は、あんたらが魔法衛士隊だなんて言わなかった。 メイジでグリフォンに乗ってても、学院の生徒だから危険は少ないまでと言いやがった。 おおかた、死人に口無しを気取ろうってんだろうが、そうは問屋が卸さねぇ」 そうとも、と別の傭兵が頷いた。 「金のために人を殺すのは解る。憎いからって殺すのも解る。 だが、なんだそいつは。当てつけみてぇに平民を殺そうとするなんざ許せねぇ。 しかも、自分でやらずに俺たちに押し付けやがった」 「ああ、確かに俺たちは平民だ。魔法が使える貴族様とは生まれからして違わぁ。 だけどよ、俺たちにだって許せねぇことはあるんだぜ?」 何の気なしに放たれたその言葉に、シエスタはかつての自分を思い出した。 彼女とルイズの始まりを、あの誇り高い少女を終の主人と決めたあの日のことを。 「ルイズ様は、いつも仰っておられました。 “貴族として生まれる人なんて誰もいない。人は自分の意思で貴族になる”んだって」 傭兵と衛士たちが目を見張った。 彼らはルイズを知らず、つまりはそんなことを言う貴族がいるなどということを信じられなかったのである。 視線をシエスタから傍らのシュヴルーズに移し、今の言葉は本当かと無言で問いかける。 「確かに、それはミス・ヴァリエールの座右の銘ですわね。 あの子はどんな時でも、それこそ決闘を挑まれてもそれを撤回しようとはしませんでしたから」 何人もの男性に見つめられ、赤面しながらのシュヴルーズの言葉に、彼らは一様に頬を緩めた。 皆等しく見知らぬ少女のその気高さに好感を持ったのである。 「失礼、ミス・シエスタ。 先ほどあなたはルイズ様と仰ったが、もしやそれはヴァリエール公爵家のご令嬢ですか?」 はい、とシエスタは頷き、胸を張って彼女の主人の名を高らかに告げる。 「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。それがわたしの主人の名です」 グリフォン隊の衛士が顔を見合わせて笑う。 彼らは知っていたのだ。 自分たちの隊長の婚約者が、一体どこの貴族の令嬢なのかということを。 よろしい、と頷き傭兵たちの束縛を解く。 ことここにいたっては彼らがシエスタに害を為すとは考えられなかったからだ。 「では、同道願おうか」 「へへ、ありがとうございやす」 傭兵たちのリーダーが頭を下げ、同じく束縛を解かれた部下に言う。 「お前ら、次の勤め先が決まったぜ」 部下たちも心得た者で、口々に賛意を示す。 「ヴァリエール公爵か。戦上手って話だから、まぁ負け戦はねぇでしょう」 「娘さんが立派なら、父親もご立派なのに違いねぇ」 「自分の意思で貴族になるか、いいねぇ。俺も貴族の姫さんと結婚したら貴族になれますかねぇ」 「お頭、俺たちは先に向かってますぜ。あとからゆっくり来ておくんなさい」 ――――この後、彼らはハルゲキニア最強を以って知られる軍団の一翼を担うこととなる。 /*/ 『女神の杵』亭はラ・ロシェールで一番上等な宿屋である。 かつてはアルビオンからの侵攻に備えるための砦でもあったと言う建物は巨大な一枚岩からの削りだしであり、 中庭には戦場に赴く貴族達が王の閲兵を受けた錬兵場をも備えている。 とは言ってもそれは昔の話であり、今では所々に装飾が見られる豪華な建物になっていた。 「すまないね、知人と話していたら遅くなってしまった」 言いながらワルドが足を向けた先には、他の酒場から帰ってきたキュルケやギーシュたちと卓を囲むルイズの姿があった。 使い魔やグリフォンは外の小屋にいるが、唯一ブータだけは机の脇で皿に入ったスープを舐めている。 主人であるルイズが寛容にも許可を出したために、 先ほどから入れ替わり立ち代り宿で働く女性たちが暇を見つけては喉を撫でたり頭を撫ぜたりしていく。 机の上を見れば幾品かの料理と杯に混じって、金貨の入ったと思しき袋がおいてある。 はてこれはどうしたのだろうと問いかけると、タバサが賭博で巻き上げてきたとのことであった。 「そ、それはまた、意外な特技だね」 おとなしそうに見えるが、なかなかどうしてこの青い髪の少女は曲者らしいとワルドは心に刻んだ。 風のトライアングルメイジであるにも関わらず自分の背丈よりも長い剣を持ち歩き、どんな時も本を離そうとはしない。 アンリエッタ王女は、首輪をしていたから誰かの従者なのですわ、などと赤い顔で言ってはいたが、果たしてそれはどうだろう。 あるいは見られたくないものを隠しているとも考えられる。 空いている椅子に座り、ブータの肉球をつついていた給仕の少女に飲み物を頼むと、一同を見回して口を開いた。 「それで、どうだろう。なにか芳しい情報はあったのかね?」 「芳しいかどうかはともかく、気になる情報があったのは確かよ」 喉を潤しながらルイズが答えた。既にワルドへの言葉使いは敬語を止めて普段の彼女のそれである。 彼自身がそうしてくれと頼んだのだった。 「空賊? 別におかしいことはないだろう。内乱の混乱に乗じて活動が活発になっていると聞いているよ」 「お言葉ですがワルド子爵。こと空に関しては混乱など既に治まっていますよ。 既に王城派は追い詰められ、籠城戦に移行しています。 制空権は貴族派にありますからね、空を行くのは貴族派の支援物資だけでしょう。 ここで盗賊行為を行っても貴族派の恨みを買うだけです。 もし空賊が動くなら内乱終結後だと思いますよ」 答えたのはギーシュであった。いつもどおり薔薇の造花を手にしながら、 落ち着いた表情で情勢を分析する。 「むしろ、王党派の可能性もある」 「私掠船かい? 今の王党派にそれだけの余力があるかな。 どう思う、キュルケ?」 「難しいわね。 報酬以外にお墨付きの有効性の問題もあるわ。 王党派が倒れてしまえばただの空賊行為に利敵行為まで加わるしね」 「違う。王党派自体が、空賊」 「直々に出馬しての通商破壊かい? 確かに定石ではあるけど……」 眼前にて展開される会話に、ワルドは引きつった笑みを浮かべつつ舌を巻いた。 これが学生のする会話か? 軍人の集まる研究会ならまだしも、彼らはただの魔法学院の生徒に過ぎぬ筈である。 だのに私掠船だの通商破壊だの電撃戦だの籠城戦だのと専門用語が飛び交い、 極めて高い水準の戦術戦略論を展開している。 (あの牽引法だけでも驚きなのに、今度は戦術か? いつから魔法学院は士官学校になったんだ?) 口を挟むに挟めない議論を聞きながら、心密かにワルドは決めた。 全てが終わって落ち着いたら、部下を一人残らず魔法学院へ送り込んで鍛えなおしてもらおうと。 床に寝そべって耳を立てていた大猫が、満足そうににゃぁと鳴いた。 /*/ 魔法学院の一室で、マザリーニ枢機卿は面白くもなさそうな顔で目の前の書類からある一文を削除した。 タルブの村近くから引き返してきたグリフォン隊の魔法衛士と、彼が連れてきた傭兵の証言を書きとめた調書である。 「グリフォン隊も質が落ちたかの。 感情に流されるようではまだまだじゃて」 それを見ながら白髪の老人、オールド・オスマンが声をかけた。 こちらも面白くはなさそうな顔で鼻毛を抜いている。 「義憤を覚えるのは若者の特権でしょう。 至らぬところは大人が補えばいい。違いますかな、オールド・オスマン」 新たな書類を作り、花押を捺す。 諸所の役人軍人の身辺調査を秘密裏に命じる書類だった。 「しかしな、マザリーニ。 お主も気づいているのじゃろう? あの傭兵は、シエスタを狙ったわけではないとな」 「勿論ですとも」 事も無げに枢機卿は答え、机の上の調書に目をやる。 今は削除されたそこには、傭兵達が雇い主からラ・ロシェールの入り口付近で待機するよう命じられた旨の証言が書かれていた筈であった。 「ミス・シエスタの故郷であるタルブは、ラ・ロシェールの手前にある。 だから、モット伯が彼女を襲うつもりなのなら、待機させる場所が不自然ですな」 「つまり、目印にしたグリフォンというのは、彼らではなく、ワルド子爵のモノだったということじゃな」 オスマンが長い眉毛の下からマザリーニをねめつける。 先ほどこの枢機卿は、今回の襲撃はモット伯の仕業で間違いあるまいと衛士に向かって宣言したのである。 そして同時に、グリフォン隊がシエスタの護衛につくことが決定したのは昨夜の話であり、 それに合わせたようにグリフォンを目印に使ったモット伯は、 間者かそれに類する者を魔法学院か衛士隊に潜入させている可能性があることを示唆したのだ。 「どちらにせよ、モット伯の行状芳しからぬことはこの鳥の骨めの耳にも入っていましたからな。 綱紀の引き締めにはいい機会でしょう」 「彼は犠牲の羊かね?」 「まさにその通りですな。 彼は常々、王国の為なら命も賭けれると言っていた。 ならばせいぜい高く使わせてもらうといたしましょう。 アルビオンの貴族派との繋がりを探すとしてしまえば誰しも警戒してしまいますが、 モット伯との繋がりを探すとなれば気も緩みましょう。 無論、その際に貴族派との繋がりや汚職の証拠が見つかることもあるでしょうしな」 「白々しいにも程があるな、枢機卿。 お主はおそらく碌な死に方はせんし、天国にもいけぬだろうな」 今さら何をとマザリーニは笑った。 「そんなもの、先帝陛下よりこの国を任せられた時点で諦めておりますよ」 顔だけで笑い、心で自分自身に罵声を浴びせる。 少なくとも今回の点についてはモット伯には罪はない。 だがそれがどうしたというのか。 貴族と平民とでは価値が違うように、馬鹿と勇者は命の値段が違う。 自分の値段は、そしてモット伯の値段は? 貴族であるとさも当然のように平民を虐げる者の値段は? 貴族であるが故に当然のように平民を守ろうとする者は? そんな勘定は誰にでもできるはずだった。 それに、とマザリーニ枢機卿はアルビオンに向かった桃色の髪の少女のことを思った。 姫殿下の命だと躊躇いなく死地に向かった少女。 自分のことを貴族らしいと言ってくれた少女。 あの時、彼は決めたのだ。 この少女のためなら、どんなことでもしてやろうと。 モット伯が彼女の敵だというのなら、そうなる可能性があるのなら、 そうならないうちに叩き潰してやるだけだ。 「しかし、どうでしょうな、オールド・オスマン。 ワルド子爵を狙ったのはアルビオンの貴族派なのですかな?」 「さてな、その辺りのことはわしは知らんよ。 わしが知っておるのはたとえどんな相手だろうと、 ミス・ヴァリエールは任務を成功させるということだけじゃ」 なにしろ、と老人は面白そうに目を細め、悪戯小僧のような笑みでこう告げた。 「ミス・ヴァリエールには猫の神様が味方についておるからの」 /*/ これよりしばらくの後、マザリーニ枢機卿による綱紀粛正の嵐がトリステイン王宮を中心に吹き荒れることになる。 その嵐は苛烈を極め、モット伯やチュレンヌ徴税官を初めとする多くの貴族がその職を失い、、 最後にはリッシュモン高等法院長の更迭さえも伴った一大事件に発展した。 なお一連の事件の発端となったモット伯は終始ラ・ロシェールに現れた仮面の貴族との繋がりを否定し続けたが、 マザリーニ枢機卿がその弁を認めることは最後までなかった。 /*/ 「部屋は二つ取ったわ。わたしとキュルケ、タバサで一部屋。ワルドとギーシュで一部屋よ」 婚約者から言い渡され、ワルドは困ったように頭をかいた。 「そうか、出来ればルイズと一緒のほうが良かったんだがな。話したいこともあったし」 「あら、そんなの昼間でも出来るでしょう? それにわたしたち、まだ結婚してるわけでもないじゃない」 「それはそうだが……」 食い下がるワルドを見かねてか、ギーシュが止めに入る。 それを見ながらキュルケが猫のようなニヤニヤ笑いを頬に浮かべた。 「ワルド子爵、十年ぶりに会えた婚約者との久闊を叙したい気持ちはわかりますが、 相手の気持ちも考えねば嫌われてしまうと思いますよ」 「なるほど、さすがはグラモン元帥の息子殿だ。 どうやらその道ではぼくよりも上を行っているようだね」 「いえいえ、そんなことはありませんよ。 子爵とは違い未だ婚約者の一人もおらぬ身ですから、 いざそのような令嬢と巡り会えた際に不快な思いをさせたくない一心でして」 さっそく少女を除け者にして言い争う二人の男を見ながらルイズが頬を膨らませた。 第一印象がよくなかったか、この二人、とてつもなく仲が悪い。 「やっぱり、『風』と『土』だからかしらね?」 「馬鹿ね、ルイズ。そんなこと関係ないわよ。 学院でだって、ミセス・シュヴルーズはミスタ・ギトーに気があるって噂があるくらいなのよ?」 告げられた名前に、ルイズばかりでなくタバサさえも目を見開いた。 それは、確かにギトーは黙ってさえいれば若くていい男だが、しかし、 「ミセス・シュヴルーズ、結婚してる」 「あら、寡婦が恋愛してはいけないって法なんてないし、 わたし的には人妻だって愛を語ってもかまわないと思うわ」 「ツェルプストーが言うと、物凄く説得力があるわねぇ」 後年、ルイズは何度となくこの日の夜の情景を思い出しては懐かしがることになる。 言い争うギーシュとワルド、夜を徹して恋愛話で盛り上がったキュルケとタバサ。 それは彼女の若葉の時代。情熱さえも青臭く、まだ若々しかった頃の物語。 彼女がまだ少女だった時代の輝かしい思い出だった。 前に戻る 次に進む 目次
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誰も空を見上げない時代には、空に穴が開く時がある。 古い伝説は言う。なぜならそう、空だって自分を見て欲しいと思う時があるからだ。 自分を見てもらうために、とりあえず世直しからはじめるのだと。 その男の出現は唐突だった。 迷宮のような造りになっているラ・ヴァリエール家の屋敷の中庭を全く迷わずに走りぬけ、庭の中心にある池に向かって疾駆する。 ぶっちゃけ、迷うはずなどありはしない。 なにしろ出現場所から目的地まで一直線に進んだのだから。 塀を乗り越え、屋敷を飛び越し、植え込みの上を走りぬけ、非常識なことに水の上さえ意にも介さず突き進む。 その姿に目を見張る小さなルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールに笑いかけ、軽やかに跳躍すると空中で身体をひねって彼女の乗る小船の舳先に着地した。 「やぁ、お姫さま」 しばらく黙り込んだあと、彼は懐から蒼いハンカチを取り出して彼女の頬に当てて涙を拭う。 「泣いているね。それはいけない。子供は笑っているべきだ。それが女の子ならば尚更だ」 蒼いハンカチをしまうと、同じ色の石のついたペンダントをルイズの首にかける。 「これはいずれ、君が君になる時に必要になるだろう。 それは来るかどうか解らない未来の話だ。 それは御伽噺で、夢物語で、誰もが笑うそんな話だ。 永遠に来ないかも知れない明日の話だ。 けれどそれはいつかやってくるだろう。 御伽噺はいつだって、『めでたしめでたし』で終わるのだから」 男は一息にそれだけを言うと息を大きく吸い、そして吐いた。 「君に一つの呪文を教えよう。 それは効果があるかもしれないしないかもしれない。 物理法則も曲げられず、物理力も行使できず、主観にしか影響を及ぼさない。 けれど最強にして不可能を可能にする万能の言葉だ」 目を白黒するルイズ。 幾らなんでも五歳か六歳の子供に語る言葉ではない。 しかしながら男は大真面目で、真剣で、ノリノリだった。 「“それがどうした!”」 男の一喝。 ルイズは首を左右に振って他に誰もいないのを確認すると、それが男の言う呪文であることにようやく思い至った。 「それは自分を騙すことしか出来ない嘘の言葉だ。 世界中のどこにでもあるような嘘の言葉だ。 そう、世界は嘘に満ちている。 けれど嘘は嘘によって切り裂かれる。その時、最後に残るものこそが真実だ」 男が何を言っているかは解らない。 けれどルイズはその言葉を脳裏に刻みつけた。 会ったことも見たこともなく、妖しくて、胡散臭いことこの上ないが、この男は自分の涙を拭いてくれて、首飾りをくれた。 言っていることは難しすぎて解らないが、どうやら自分を励ましてくれたらしい。 だからルイズはにこりと笑うと、彼女が尊敬してやまない自らの姉のように、 寝物語に聞いた昔話の中の母のように胸を張って言った。 「それが、どうした!」 男は満足げに笑うと、振り向いてルイズに背を向けた。 「以上、終わり。がんばれ」 世界観という世界観と、ルイズに背を向けたまま、男は前を真っ直ぐ見て優しく言った。 「……いいことを教えよう。世の中には、全ての損得を抜きで君の幸せを願う者がいる。 君だけではない。どんな子供にもだ。……世の中には、全ての子供を守る守護者がいる。 未来の護り手だ。 それはただの人間で、ただの人間の集団で、ただの人間が作った物だが、ああ、結局現実なんてそんなものだ」 そして男は前を向いたまま、小さなルイズの心に何年も残る一言を告げた。 「がんばれ、絶対に負けるな」 満面の笑みでそれに頷く小さな姫に頷き、男は爆走を開始した。 「介入終了、加速最大! 大逆転号転移開始、これより帰還する」 池の上を駆け抜け、植え込みの上を走り、屋敷を飛び越し、塀を乗り越えて疾駆する。 見る間に見えなくなった男に、ルイズはお礼の言葉を言っていなかったことを思い出した。 少し考え、小船を操作して岸に着くと屋敷に向かって歩き出す。 途中、植え込みの中を探す召使たちの声が耳に入った。 「ルイズお嬢様は難儀だねぇ」 「まったくだ。上の二人のお嬢様はあんなに魔法がおできになるって言うのに……」 今までならば悲しくて、悔しくて、歯噛みをするようなその声に、しかし小さなルイズは微笑む余裕すらあった。 胸の奥には先ほど教えて貰った呪文があった。 物理法則も曲げられず、物理力も行使できず、主観にしか影響を及ぼさない、 けれど最強にして万能なる魔法の言葉があった。 「“それがどうした!”」 ――――この日、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは彼女だけの魔法を手に入れた。 次に進む 目次
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もしもシエスタに「真の貴族とは誰か?」という問いを投げかければ彼女は迷わずただ一人の名前を告げるだろう。 彼女にとって恩人であり、憧れでもある名前を。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの名前を。 同僚や他の貴族に聞かれれば苦笑し、あるいは嘲笑されるであろうその名前を。 事実、口さがない学院の生徒たちが魔法が使えぬと言う一点を持ってルイズを嘲弄しているのを何度も見かけたことがある。 そんな時、彼女はいつも思うのだ。それがどうした、と。 /*/ 思い出せる限りの一番最初は、名前を聞かれたことだった。 頼まれた洗濯物を部屋に届けた時、ルイズは彼女の名前を聞いた。 シエスタは魔法学院で働く召使いの一人であり、貴族にとっては名すら覚えるに値しない平民である。 故に名を聞かれた時にシエスタは恐れた。自分は何か過ちをしでかしたのかと。 ところが、ルイズは言ったのだ。 謝罪し、頭を下げる彼女をむしろ不思議そうに見て、 「名前がわからないと、これから用事も頼めないじゃないの」 驚いたが、嬉しかった。 目の前の貴族は、平民に過ぎない自分を同じ人間として扱おうとしてくれる。 そんな貴族がいるということが嬉しかった。 夕飯も近かったのでスキップしながら厨房に入り、マルトー親方に報告する。 「まぁ、なんだ。貴族の中でもいい奴はいるって事だな」 うんうんと頷く親方に同意する。 横で 「ルイズってあのゼロだろ?」 「魔法が使えないから自分が貴族だって思ってないんじゃないのか?」 などと声が聞こえたがすぐに消えた。 親方が拳をさすっていたり、料理人が二人ほど頭を抱えていたような気もするが、些細なことと切って捨てた。 /*/ 二つ目は、ルイズの持つ首飾りだった。 蒼い石の嵌めこまれたそれは、ルイズが幼い頃に恩人に貰った物だという。 それとほぼ同じ首飾りをシエスタは持っていた。 ほぼというのは、蒼い石の色合いが幾分かシエスタの物の方がくすんでいるからだった。 ルイズのそれが『青』ならばシエスタの物は『藍』と言っていいだろう。 だがそれ以外に違いはなかった。 どこで手に入れたのかとルイズは問いかけたが、もうずいぶん前に亡くなった曾祖父の形見だと言う答えに肩を落とした。 「あの、これがどうかしたのですか」 あまりの気落ち振りにたまらず声をかける。 「……わたしは、あの人にお礼を言ってないの。だからシエスタがそれをどこで手に入れたのか解れば、もう一度会えると思ったんだけど……」 気長に探すわよと笑うルイズを見ながらシエスタは微笑んだ。 この人は本当に義理堅いのだなとそう思った。 /*/ そして最後の、そして最大の出来事は春の使い魔召喚の儀の少し前に起こった。 たまたま学院に勅使として訪れた貴族に見初められ、召抱えられることになったのだ。 幾ら風評が悪く、その悪趣味が知れ渡っていても貴族は貴族。 平民であるシエスタやマルトーにはどうすることも出来なかった。 ところが、どこから聞きつけたのかルイズがやってきて貴族の使いにこう言った。 「そこのシエスタはわたし付きの召使いで、学院を卒業したら一緒に屋敷に連れて行こうと思っていたの。ここは退いて頂けるかしら」 胡散臭げに使者は鼻を鳴らし、モット伯爵に逆らうおつもりですかと唇を歪めたが、続くルイズの一言でその顔を強張らせた。 「それがどうした」 胸を張り、貴族のお手本のような姿勢でルイズは言った。 「そちらこそ、ヴァリエール公爵家に逆らうつもりなのかしら?」 それで全て方がついた。はっきり言って伯爵と公爵では格が違う。 貴族の使いは忌々しげに後悔なさるなと言ったが、それは少女の薄い胸板に弾かれて消えた。 曰く、“貴族に後悔はない” その夜、礼に訪れたマルトーとシエスタにルイズは気にするなと手を振った。 単に権力を笠に着て、平民なら何をしてもいいと思っている奴が嫌いなだけだと。 マルトーはそう言う小さな貴族の耳が微かに朱に染まっているのに気が付いた。 「でも、お貴族様と私たち平民では生まれからして違うんですから仕方ないと……」 「―――シエスタ」 ルイズが彼女の唇に指を当てて黙らせる。 そして小さな貴族は胸を張り、世の真理を民草に伝える女王のような表情でこう告げた。 「憶えておきなさい、シエスタ。貴族として生まれる人なんて誰もいないわ。人は自分の意思で貴族になるのよ」 それは誇り。 魔法が使えず、誰からも貴族として認められず、それでも貴族であろうとし続ける少女の誇りだった。 シエスタは思った。 例え世界の誰からも認められなくても、この人は本当の貴族なのだと。 /*/ 後の世に伝えられる二人の伝説の、これが始まり。 それは諦めることを止めた、ある少女たちの物語――――。 前に戻る 次に進む 目次
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▼第10回定期演奏会 2010/11/7 第10回定期演奏会~みんなの音楽会2010~ 指揮:三上朋也 司会:坂本睦子 〔演奏メンバー 50名〕 ▼第1部 アップル・マーチ「アルルの女」よりファランドール歌劇「ローエングリン」よりエルザの大聖堂への行列 ▼第2部 ~サックス奏者 佐々木亜紀子氏を迎え~ チューバ独奏「エフィー組曲」よりマジック青春の輝き~アルトサキソフォンと吹奏楽のための~トゥルース ▼第3部 「龍馬伝」テーマ曲ど演歌えきすぷれす2YELL~エール~ハナミズキ刑事&アクションメドレーマンボNo.5追憶のテーマ ▼第9回定期演奏会 2009/11/8 第9回定期演奏会~みんなの音楽会2009~ 指揮:三上朋也 司会:坂本睦子 〔演奏メンバー 54名〕 ▼第1部 シンフォニックステージ レイディアント・マーチ海の歌交響的詩曲「走れメロス」 ▼第2部 ミュージカル&ポップスステージ 「コーラスライン」よりワン~君だけはライオンキング ブロードウェイセレクション「キャッツ」より メモリー負けないで手紙~拝啓 十五の君へ~キセキテキーラ ▼第8回定期演奏会 2008/11/16 第8回定期演奏会~みんなの音楽会2008~ 指揮:三上朋也 司会:坂本睦子 〔演奏メンバー 52名〕 ▼第1部 吹奏楽オリジナル グランド・マーチフニクリ・フニクラシンフォニア・ノビリッシマ ▼第2部 フォークソングステージ シンガーソングライター板橋かずゆきさんを迎えて ▼第3部 R35ポップスステージ 宇宙のファンタジーGSエクスプレスアニメ・メドレー翔べ!ガンダム ジャパニーズ・グラフィティXII銀河鉄道999&宇宙戦艦ヤマト ▼第7回定期演奏会 2007/11/18 第7回定期演奏会~みんなの音楽会2007~ 指揮:三上朋也 司会:坂本睦子 〔演奏メンバー 42名〕 ▼第1部 行進曲 威風堂々 第1番 op.39ジャパニーズ・グラフィティⅡアンパンマンのマーチ星条旗よ永遠なれ川の流れのように千の風になって ▼第2部 ディズニー映画特集 ディズニー・メドレーアンダー・ザ・シーパイレーツ・オブ・カリビアンサークル・オブ・ライフ美女と野獣 ▼第6回定期演奏会 2006/11/26 第6回定期演奏会~五所川原小学校合唱部を迎え~ 指揮:三上朋也 司会:坂本睦子 〔演奏メンバー 53名〕 ▼第1部 鷲の翼に歌劇『トゥーランドット』よりスターフライト序曲 ▼第2部 オーメンズ・オブ・ラブサムシング恋のカーニバル映画「ゲド戦記」テルーの唄ジャパニーズ・グラフィティIX いい日旅立ちスパニッシュ・フィーバー ▼第5回定期演奏会 2005/12/04 第5回定期演奏会~エリックミヤシロを迎え~ 司会:坂本睦子 〔演奏メンバー 74名〕 ▼第1部 音楽祭のプレリュードアルトサクソフォーンとバンドのための『バラード』アルメニアン・ダンスⅠ ▼第2部 ディズニー・ファンティリュージョン!ど演歌えきすぷれす『ロッキー』のテーマトワイライト・ハイウェイスタートレックのテーマ ▼第4回定期演奏会 2004/11/28 第4回定期演奏会 司会:坂本睦子 〔演奏メンバー 68名〕 ▼第1部 パンチネロ序曲風紋ヴェニスの謝肉祭による変奏曲ゴッドスピード! ▼第2部 『ウェスト・サイド・ストーリー』メドレーサウス・ランパート・ストリート・パレードサクソフォンとバンドのための『青春の輝き』冬のソナタより『はじめから今まで』GET IT ON ▼第3回定期演奏会 2003/10/05 第3回定期演奏会 司会:坂本睦子 〔演奏メンバー 66名〕 ▼第1部 序曲祝典~Fエリクソン主よ、人の望の喜びよ雪・月・花吹奏楽のための抒情的『祭』 ▼第2部 ハリウッド万歳イン・ザ・ムードサウンド・オブ・ミュージックコパカバーナ上を向いて歩こう『ロッキー』のテーマ ▼第2回定期演奏会 2002/11/03) 第2回定期演奏会 司会:坂本睦子 〔演奏メンバー 45名〕 ▼第1部 オーバー・ザ・ギャラクシー大草原の歌吹奏楽のための第二組曲~Gホルスト ▼第2部 ルパン三世のテーマ愛するデュークビタースィート・サンバディスコ’70sエンドレス・ラブサンチェスの子供たち ▼第1回定期演奏会 2001/11/25 第1回定期演奏会 〔演奏メンバー 43名〕 ▼第1部 アップルマーチ吹奏楽のためのインヴェンション第1番バンドのための民話吹奏楽のための第一組曲~Gホルスト ▼第2部 『TANK!』ホール・ニュー・ワールドディズニー・メドレーⅡ『千と千尋の神隠し』メドレー『トトロ』ファンタジーカーペンターズ・フォーエヴァー トップページ 当団紹介と募集要項 練習日程 過去の定期演奏会 活動の記録 交流掲示板 リンク集 団員用掲示板
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ホーケスト 分類:せいじつポケモン No.3-152 タイプ:ノーマル/ひこう 特性:せきにんかん(最後の一匹になると技の威力が上がる) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 備考 ホーケスト 70 100 70 80 60 70 ホウトンビ 52 60 58 55 60 70 進化前 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) でんき/こおり/いわ いまひとつ(1/2) くさ/むし いまひとつ(1/4) --- こうかなし じめん/ゴースト 技 ノーマル技、ひこう技を中心に覚える。ブレイブバードは覚えない。 ホウトンビ時にフェザーダンス、 うたう、なまける、おいかぜ、ちょうはつ、いちゃもん、 ホーケスト時にいのちがけ、おしおき、こわいかお、みやぶるなどを覚える。 自力で覚える特殊技はエアスラッシュのみ。遺伝技でうたうなどを覚える。 進化 ホウトンビに王者のしるしを持たせて育て屋に預けると産まれる その他 ホウトンビはトンビがモチーフのポケモン。放蕩+トンビ ホーケストはホーク(鷹)+ホーネスト(誠実) トンビが鷹を産む的な感じ 名前 コメント